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マイルスの「リラクシング」を聴いて、その詳細

この録音は本当に面白い録音だと思います。

正にマイルスの変幻自在のフレージングが展開されています。
しかし、当初はそれほど面白いアドリブではないな、と、あなたの考えと同じでした。
いまいちメリハリがない、ルーズで、コルトレーンの方が、バックも勢いがついて迫力あるよね、
と思っていたのです。

しかし、これは、ドラムスがリズムを先導していると聞くとそうなります。
元々ドラムスは拍の前に前打音を入れるのが普通で、一寸リズムを先導する役目もあります。
ですので、マイルスのフレージングとシンバルの音を聴くとどうも、シンクロしない、ハモって聞こえないのです。
マイルスのフレージングとシンバルのアタック感とは合ってなくて一寸ノイズです。

しかし、ベースを基本に聴くとあら不思議、マイルスのなんと細かいニュアンスが聞こえて来るのです。
正にマジックですねえ。

マイルスのソロが終わってさてコルトレーンが出ると、これかが面白いのですね。
何やら悩んでいる風です。一寸ジャストで乗れないし、体も何だか動かないし、
あ、急ににシンバルが大きくなった、じゃあ、しょうがないこのまま行くか?

みたいな感じで、ノリがズレたままフレージングを振り絞っていき、リズム隊は?益々あおってきます。
いやア、盛り上がりました。

これ、実はいかにリズム隊にプレッシャーが掛かっていたかなのでした。
余りにマイルスが微妙なタイミングで吹いてくるので、リズム隊は
緊張の連続だったのですね。

マイルスが終わったとたんにその緊張が解けて、さあて、と勢いが付き、
あれれ?コルトレーンはモたってる?じゃあ、後ろからプッシュしよう、
って感じでリズム隊に勢いがついてきて、ガーランドで、それらの祭りが終わります。

さて、おそらくこのコルトレーンを聴いて、ジャズはモタッテ弾いた方がジャズらしいよ、
という考えが浮かんだのじゃあないかな?と推測します。
このモタリ方は一寸ソニーロリンズと似ていますが、ここまでコルトレーンがモたったのは
この録音だけですね。モたったのには、こんな状況が反映していたのでしょう。
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そうすると、ジャケットの三角マンがどう見てもリラックスの格好はしているものの、顔はイライラしている風で、全然マイルスもリラックスしていないで逆にテンションが馬鹿高で、全く逆のジャケットですね。しかし、ガーランドで確かに完全にリラックスしていますが、やはり主役はマイルスです。

タイトルには?を付けて、「リラクシング?」の方が正しいかも。
あ、正確に読むと、リラックスのつもりをマイルスが演奏するとこうなります、って解釈をすればオッケーでしょうか?。
もちろん、マイルスに本当のリラックスなんてありません。リラックスしている振りはたくさんありますが。
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